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まさか接触してきた先輩達に気に入られているとは、さすがSクラス級の美人は格が違うな。想像の遥か上を行ってくれるわ。しかもこの先輩達ちょっとマゾじゃない?
「でも一応レイヤきゅんには謝っといてくれよ、頼む」
「なんなら、俺ら自ら謝るからレイヤきゅんの連絡先教えてくんねえ?」
「あ!それいい!ID教えてよ」
「…あの、すんませんけど俺あいつの連絡先知らないっす」
連絡先を教えろと先ほどよりも間を詰められ、はたから見ればカツアゲされてる俺の図。
先輩達に言いながら、そういえば俺あいつの連絡先知らねえんだよな、と少々虚しくなった。でも部屋も教室も一緒だと連絡する必要なんて全く無い。
「知んねえとか嘘っしょ?別に悪用とかしねえからさー」
「ただ謝りてえだけなのよ、俺ら。お願いだよ。レイヤきゅんのお友だちクン」
「いやだから、ほんとに知らないんですって!」
引き下がる先輩達に面倒く……戸惑い、どうしたものかと考えるが知らないものは知らないしどうしようもない。
「あ!電話番号でもいいよ」
「携帯越しにレイヤきゅんの声聞けんの!?うおおおおおパネェェェ」
「電話番号!電話番号くれ!!」
「お友だちクン!頼む!」
「IDも知らないのに電話番号なんてもっと知るわけねえだろ…!!」
「そうそう~それにそのレイヤきゅんは俺のコイビトなんで電話番号は渡せないですー」
困り切ってつい言葉尻が荒くなったその時。
先輩達の背後から聞き慣れた声が聞こえてきて、条件反射のように壁のように立ちはだかっていた先輩達が体をずらした。
そして、出来上がった隙間から見えた姿は予想通り先輩達と同じくらい背の高い親友、律の姿だった。
顔には爽やかな笑顔を浮かべている。
りりり律ーーーーー!!!
心の中で俺、号泣。
抱き締めてるレベルで感動してしまった。
なにもう!お前は俺の王子様か!
「律…!」
俺は今がチャンス!と先輩達の隙間を縫って入り口に居た律の元に駆け寄る。律の傍で律のつけてるお馴染みの香水を嗅いだ瞬間、一気に安堵した。
運動をした後だというのに嫌な臭いは一切しない。イケメンマジックかコノヤロー!でも今だけは全く苛つかないぞコノヤロー!!
「大好きだ律!」
「俺はきらい」
「なんで!?」
感極まって愛の告白をしたというのに、ズバッと断られてしまった。予想外。
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