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顔面偏差値高得点ズの好感度が急激に下がった昼休憩が終わりを迎える頃。
俺たちはそれぞれの教室に戻る廊下を、周りからいつもの調子で噂されながら歩いていた。
場所的にF組の藤白よりB組の俺たちの教室へと先に辿り着き、織田は予想通りさっさと教室に入って行く。
そんな姿をチラリと視界に入れながら俺と律は藤白と別れの挨拶を交わすべく扉の近くで足を止めた。
「じゃ、藤白!飯、ご馳走さま」
「いや、こちらこそ。付き合ってくれてありがとう、無事に気が済んだ」
「そりゃ良かった」
藤白の言葉に笑うと、横で律がいつもの笑顔を藤白に向ける。
「藤白クンそろそろ行かないと、間に合わなくなるよ~?F組遠いんだから」
「ほんとだ。…末永、良かったら連絡先交換しない?」
「ああいいよ………え!?」
特になにも考えずに返事をしてから聞こえた言葉によくある漫画みたいな反応を返してしまった。今、なんて言った?連絡先交換って聞こえたの俺だけじゃねえよな?
そ、そそそ、それって…
「友達になろうってこと!?」
期待を隠し切れずにニヤける口元のまま藤白を見上げると、一瞬びくりと驚いた顔をしてからさっぱりした顔を緩めた。
「そんな確認あると思わなかった。もちろん、そういう意味だよ」
っ…っ、シャアァァーーーー!!!
心の中で両手の拳を振り上げる。まるで試合に勝ったボクサーさながらの気迫だと自負しよう。
「ありがとう藤白マジありがとう!ちょっと待って今すぐ、…うわあヤベ~」
嬉しさから独り言のような呟きが止まらない。友達ゲットだぜ!
一連の作業を終えて手元の携帯に表示されるのは、藤白の名前とアイコン。ちなみにサッカーボール。
お互いの連絡先を2次元コードで読み取る作業を行なったのは何年ぶりのことか。自慢じゃないが携帯を買って家族と律と交換して以来、ここの機能は使用してなかった。
「藤白クン、俺ともオトモダチになってくれる?」
絶対何かしらの茶々を入れてくると思っていたのに、俺と藤白が交換するのを珍しく横で何も言わずに見ていた律。自分の携帯を出しながらそんな事を言った。
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