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「や〜ほんと久しぶり!変わんないな、白鳥くんは」 「そんなに経ってないだろう。せいぜい3ヶ月くらいだ」 「そんなもん?でも1年の時は毎日一緒だった訳だしさ、2年になってこんなにも会わないとは思わなかったんだよ。結構寂しかったんだぞ」 「寂しかった、のか…?」 「当たり前だろ。何回か白鳥くんの教室に遊びにいこうとしたのに…そういやなんで行けてなかったんだろ。まあ最近は完全に織田に気ぃ取られてたからだろうな」 俺は白鳥くんと校内にある中庭に並んで座っていた。 手には自動販売機で買ったコーラとお茶。お茶は白鳥くんでコーラが俺だ。 普段は上級生で溢れて近付く気にもならない中庭も、放課後はわりと自由にどの学年も使える雰囲気なのでここを選んだ。大きく広がる木が3箇所ほど植えてありその周りに円形のベンチが設置されている。日陰にもなるし、人も少なく話をするにはもってこいの場所だった。 「織田って、最近転入してきた生徒か?」 「そうそう。やっぱ噂回ってんだな。見たことある?本人に言ったら物凄い怒られるけど、めちゃくちゃ美人なんだよ、あいつ」 「……知ってる。遠目から一度だけ見た。体育館の入り口で2人で居ただろう。彼は末永の…恋人なのか?」 「ブッ…!!」 「うわ!汚い!」 「汚いって言うな!」 だいぶ前の噂話みたいなことを言われて思わず口に含んだコーラを吹き出した。 隣にいた白鳥くんはギョッとして反射神経抜群の動きを見せる。だが俺も咄嗟に白鳥くんとは反対方向に顔を向けたので多分かかってはいない。 大丈夫、かかってない、かかってないと招き寄せると、恐る恐る元の位置に腰を下ろしてくれた。 「織田が俺の恋人ってアレ?噂聞いたのか?ちょっと前にデマだって誤解解けてるもんだとばかり…」 「僕は人が勝手に言ってる噂なんて信じない」 「さすが白鳥くん。じゃあなんで?」 「…織田という生徒が末永に触れていたから。随分優しく、甘い雰囲気に見えた」 「やさしい?あまいふんいき?」 俺たちには不似合い過ぎる言葉のせいで、理解するまでに時間がかかった。 体育館の入り口で2人で居るところって…あん時か。俺が寝起きの織田に殴られた頬をあいつが触ってるところだよな。あれのどこをどう見たらそんな解釈ができるんだ! 「ないないない!あり得ない!むしろ真逆だから!それに付き合ってるのは俺じゃなくて律だよ」 全力で「あまいふんいき」を否定しながら真実を伝えると、白鳥くんの唇が一瞬ひくりと震えた。 「…浅倉と……?」

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