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律はあの場に居なかった。 が、もちろん律も呼ばねばならない。 そうしないと俺と藤白と織田なんていうカオスなメンツになってしまうし、それこそ律の怒りを100%買ってしまうのが目に見えてる。藤白と俺で、怒りのパーセンテージが分割されるにしてもそこは一番避けたい。 だから呼んだ。 今日藤白がご飯食べに来るから律も来いよ、と。 反応は普通だった。驚いてはいたし「智ちゃん、藤白クンに文句言いつつ手料理振る舞っちゃうんだあ〜。やっさしー」と嫌味を言われたくらいで、それだけだ。 ヤキモチを焼く素振りはこれっぽっちもなかった。 だからやっぱり何だかんだ藤白が俺たちの輪に入ってくれたのは良かったのだ、と鼻歌混じりに織田の意見総無視で親子丼を作り終えたわけなのだが―― 「藤白クンは本当にノンケなんだよねえ?」 「もちろん。男の良さは分かってない」 「ふ〜〜ん。でもそのわりには玲哉にベッタリじゃない?なんで?」 「ベッタリ?そうか?別に抱き付いたことはないけど…」 「ちがいますー。ずっと傍でよく喋ってるよねーって話です〜」 「?末永ともよく喋ってるよ。そういうことじゃなくて?」 「喋ってねえよ!…じゃなくて、律!」 「なによぉ。文句?」 親子丼を見た瞬間の織田の衝撃を受けたような顔のあとに、いかにも文句を言いたげな視線を無視して、律の暴走は4人で食事を始めてすぐの事だった。 ソファーにお客様である藤白と当たり前のように織田が座り、床に俺と律が腰を落としている。 突然喧嘩腰で会話を始めた律の肩を引っ張って2人に背を向けた。 藤白は然程気にしていないようですぐに「末永の手料理マジで美味いな」と織田に話し掛けている。ついでに織田の反応が気になるけど、今はいいや。 「文句っていうか…変な空気にすんなよ」 「してないじゃん。気になること聞いただけだし」 「…そうだったとしても今言うか?100歩譲ってそういうのは飯食ってからにしろって」 「あー、そっかあ。今日のご飯も美味しいよ、智ちゃん。いつもありがとね」 「ちげーよ!まるで俺が飯の感想無くて拗ねてる新妻みたいな対応やめろ」 「え…智ちゃん新妻願望なんてあったの?」 「ないわ!例えの話だっつの!」 「新妻?なんの話?」 つい大声でツッ込んでしまい、変なところで藤白が反応してしまった。 「俺もこんな美味い飯作ってくれる奥さん欲しい」 「待て藤白。ありがとう。俺も料理の上手な奥さんは欲しい。でも違う。そういう話じゃない」 ほら、まただよ。また変な感じになってきたよ。さすが藤白!絶好調! 「そうだ。ベッタリといえば末永、今日白鳥と抱き合ってた?」

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