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思わず「は?」と言いそうになった。
さすがにさっきのは気持ち悪かった、と目を見て言われるとは思わなかったが…なんだって?
もしかして俺、今さらっと新しい性癖の扉を開いてしまったこと暴露された??
「は?」
そして我慢できずに口から溢れる。
俺今この一言にぴったりの顔してると思う。
「や、分かる。突然こんなこと言われてもびっくりするよな。俺も自分でよく分かんなくて。だからそれ確かめる為に織田に引っ付いてたのかも知れない」
「…つまり織田にドキドキしてるかもってこと?男相手にムラムラできちゃってるかもって?」
「そう、なるよな。うん。さっき末永に言われて気付いたから、多分…無意識」
………ほう。
「でさ、織田ってやっぱり…」
藤白が言いづらそうに視線を下に落とす。
何やら嫌な予感がムンムンしてくるが、俺は大人しく次の言葉を待った。
「浅倉と別れる気…ないかな?末永にこんなこと相談するのもおかしいんだけど、俺が付け入る隙なんて、やっぱりない…よな?」
…くっ…ここは予想を裏切って欲しかったぞ藤白くんんん…!!
案の定な台詞にたまらず天を仰ぐ。
何故案の定かと言うと、この類の相談は律が女子からモテモテだった小・中学校で度々受けていた。
しかも皆すげえの。上手い具合に律が職員室に行ったりトイレ行って居なくなったタイミングを見計らってやってくるんだから執念がすごい。
一時期には1人になった瞬間に女子から声を掛けられることに怯えていたぐらいだ。と、まあそんなどうでもいい話は置いといて…
「多分、ない。と思う」
「絶対…?」
あいつら相思相愛だし、何よりゾッコンの律が織田を手離すことが想像できない。
眉を下げた藤白の顔を見ながら、コクリと頷いた。
「…そっか。悪い、答えづらいこと言わせて。お礼にデザートは俺が奢る」
「いやいや悪いって。全然そんなこと気にしなくていいから」
「それだけじゃないんだ。一応、口止め料的な」
「口止め料?」
…待て待て待て待て。
嫌な予感再びなの俺だけか?
「俺さ、無理って分かると余計燃えるタイプで。浅倉には悪いけど、ちょっと頑張らせて欲しい」
………。
お願いだからできる限り今ここで燃え尽きて欲しいと思ってしまった俺は、きっと性格が悪いんだろう。
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