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第4話

そう言って、若様が、僕の手を取る。 「笑、生きる希望を、糧を、私に与えて欲しい。お願いだ」 そんな悲しそうな眼差しを向けられたら僕・・・。 「若様・・・」 いつも若様はお優しくしてくれる。 あんな事、僕に出来るか、正直、怖いけれど・・・。初めてだから、尚更。 でも、誰よりも若様をお慕い申し上げている。その若様が、こんな、下働きの僕を好いて下さるなんて、勿体ないこと・・・。 俯いて、小さく頷くのが精一杯だった。 「笑、おいで」 襖を開けると、布団がすでに敷かれてあった。 「勘違いしないで。少し横になろうと思っていただけだから」 「若様、あ、あの、まず、お風呂頂いても・・・。そ、その・・・」 「あとで、一緒に入ろう」 「汗一杯かいたし、匂いだって」 「汗はどうせかくし、笑の匂い、好きだよ」 若様の腕が伸びてきて、そのまま抱き締められた。 「雅也、出掛けてくる」 襖の向こうから和也様の声。 「あぁ」 若様は返事をすると、少し、体を離し、 「笑、少し、口開けられる?」 言われた通りにすると、若様の口唇が近付いてきて、僕の唇を塞ぐと、隙間から、ぬるっとした若様の舌が、口腔内に侵入してきた。 「う、うっ・・・ん」 若様の舌が僕の舌に絡みつき、撫でるように優しく愛撫してくれた。最初は、息継ぎが上手く出来なくて、苦しかったけど、若様は、そんな僕を気遣ってくれた。 「ふぅ・・・ん」 ようやく若様の唇が離れ、飲みきれなかった若様の唾液と、自分の唾液が、端から溢れる。それを、若様はそっと、指で拭ってくれた。

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