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第2話
僕が部屋にアキがいない日、必ずソファーで寝てたってことなら、間違いないけれど。
「もしかして、俺の帰り、待ってる?」
小首を傾げて問うてきたアキの言葉に、カチンときた。
「はっ。
どうして僕が君の帰りを待たなきゃいけないんだよ。
自惚れるのもいい加減にしろ」
完全なる逆ギレ。
でもきっと、アキは気づかない。
「いや、だったら嬉しいな、って」
嬉しそうに笑うアキに、どう反応していいのかわからない。
だって。
「なんで女のとこに行ってる君の帰りを、待たなきゃいけない?」
アキの女遊びは激しい。
深夜の帰宅の連続、なんてざら。
泊まってくればいいものをそのくせ、必ず帰ってくる。
帰ってくるのがわかっているから……待ちたくなる。
「僕はもう寝るから。じゃ……」
立ち上がろうとしたところを押されて、バランスを崩しソファーに倒れる。
再び立ち上がろうとしたところ、アキが逃がさないかのように、僕の顔の横に手をついた。
「……ねえ。それってほんと?」
うえから僕の顔を見つめる、アキの瞳。
妖艶な光を灯したそれに、ごくりと喉が鳴った。
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