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第2話 師匠

実際、弟子にしてみると清は使えるやつだった。 俺が教えたことは一度で覚えるし、使おうと思った道具を口に出す前にさっと差し出すような気が回るところもあるし、くるくるとよく働いて俺がいつも後回しにしていた掃除や洗濯も全部やってくれる。 顔と愛想がいいので、近所の人や振り売りともすぐ仲良くなって、おすそ分けやおまけをもらってきたりするようになった。 まったく、顔のいい奴は得だ。 清は絵師の弟子になりたがるだけあって、これまでもずっと暇を見つけては絵を描いていたらしい。 我流でもそれなりには描けていたが、俺がちょっとコツを教えてやると目に見えてうまくなった。 俺が絵を描いているところを間近で見ていることもあって、その上達ぶりはめざましく、将来は絵師として俺なんかよりもずっと名を上げられるかもしれないとも思う。 清が来る前は、弟子なんて便利な手伝いくらいにしか考えていなかったが、実際に清の成長を目の当たりにしていると、教えることにやりがいを感じるし自分自身の刺激にもなる。 清を弟子にしてよかったと、今では素直にそう思う。

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