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第7話 弟子
お師匠様は私のことを、私が望む値 で買い上げてくれた。
お師匠様の心という、どれほどの大判小判にも代えられない、最高の対価を支払って。
お師匠様の心を手に入れた今、私としても一刻も早くお師匠様と繋がりたかったが、このまま何の準備もなくというわけにはいかない。
私はお師匠様に断って大急ぎで準備をして──その準備もいいかげんに聞き流していた母の教えが役に立った──お師匠様が敷いてくれた布団の上に横たわった。
「いくぞ、清」
「はい」
覚悟はしていたが、お師匠様の立派な筆をこの身の中に受け入れるのは大変なことだった。
それでも根元まですべて入ってしまえば、苦しい中にも一つになれたのだという満足感がある。
「清、動いても平気か」
もう少しも辛抱できないと言った様子のお師匠様に「はい」とうなずくと、お師匠様は私を気遣うようにゆっくりと動き出した。
最初は苦しかったし痛みもあったが、そのうちにだんだんと馴染んできて快感も拾えるようになってくる。
「んっ……あっ、あぁ…やぁっ……」
「清……清…」
自分の唇から漏れる声は、自分のものとは思えないような艶っぽい色を帯びていて恥ずかしい。
けれども、そのはしたない声が漏れるたびに、お師匠様がそれに煽られたかのように私の名を呼び、激しく突き上げてくれるのが嬉しい。
「…清、出すぞ…!」
「ああっ……」
宣言と同時に、お師匠様は私の絵筆を一気に擦り上げたので、私は声をあげて達してしまった。
同時に私の中で、お師匠様の筆がしとどに濡れ、その後くったりと柔らかくなった気配がした。
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