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パーフェクト・ワールド・ハルⅦ-11

「会長と言えば、聞いた? 内部投票の結果」  正式な発表は、みささぎ祭当日となっているが、結果をステージ構成に反映する手法をとっていることも有り、二日前ともなればなんとはなしに知れ渡っている。「あぁ」と短い声を四谷が上げた。 「ウチらしいね、一位」 「みたい、みたい。やっぱり一年はハルちゃんに投票している子が多かったみたいだけど、二年とか三年は会長派が多かったみたいだね」 「寮長の高笑いが特別フロアから響いてたとは聞いたけど。残るは外部投票だけとなれば勝ったも同然だ、って」 「まぁ、確かに。インパクトも見た目もウチの方が強いかもね」 「ハルちゃんも可愛いけど。三年生の貫禄ってやつかなぁ。あとウチの寮の三年は結託しててずるいって楓のヤツはボヤいてたけど」 「ウチの三年生、豪華だもんねぇ」  応じる声はどこか嬉しげで誇らしげだ。役職持ちが多い所為で、この寮別で組み分けられた応援席にもほとんど最上級生は座っていない。寮の上級生に学内の有名人が居ると言うのは、それだけでステイタスなのだ。恐らく、多くの下級生にとって。 「個人的には、俺、柊だけは嫌だったからさぁ、櫻に配属されたときはほっとしたなぁ。宮森は風紀だから知ってるだろ? やっぱり、怖いの? 本尾先輩って」 「委員長が、と言うか、柊の二、三年がほとんど風紀だから勝手に怖がってんだろ、皆。まぁ、確かに櫻寮とは違って、体育会系っぽい雰囲気はあるけど。そこまでじゃないよ」  櫻寮生の中で唯一、風紀委員会に所属している宮森が眉を下げた。委員長筆頭に強面のイメージが強い風紀委員にしては、優しげな風貌が風に揺れる。

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