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パーフェクト・ワールド・エンド14-7

「そもそも隠す必要のないことだし。ちゃんと生徒会の申請を通った同好会だからね。あやしいものじゃないよ。少なくとも表面上は」  そう、それも事実なのだ。だから大丈夫と言いたいわけではないが、むやみに心配を煽るようなものではない。  ――って、俺がそう思いたいだけかもだけど。  この学園に、今以上の面倒の種を持ち込んでほしくない。今の体制を少なくとも自分たちが卒業するときまで平穏に維持したい。それが皓太の望んでいることのすべてだ。 「たしか、急な立ち上げだったから部室が見繕えなかっただとかで、風紀の部屋を間借りしてるんじゃなかったかな」 「それも、成瀬さん許可出したんだ?」 「まぁ」  これも誤魔化してもしかたがないことだったので、皓太は曖昧に頷いた。 「あの人、そういう……なんていうのかな。権力の乱用あんまり好きじゃないみたいだからね」 「……そっか」 「と言っても、それなりに自分に都合よく使ってるところもあるけど。まぁ、たぶんあの人のなかでなんらかの基準があるんだとは思うよ。でも、どっちにしろ、認めたのが事実だから」  おそらく、突っぱねたら突っぱねたで、より一層おおごとになっていただろうと皓太は踏んでいる。成瀬もそう思ったからこそ、受理したのだろう。

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