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パーフェクト・ワールド・エンド15-4

「もしかしたらワンアクションあるかもしれないなとは思ってたんだけど、予想よりだいぶ早かったから」  ちょっとだけ驚いた。そう言って、成瀬がちらりと視線を門扉のほうに向けた。 「迷惑かけなかった? あの人、いかに自分に注目を集めるかってことしか考えてないから」 「早い段階で皓太と茅野が出たからな。大丈夫だろ」 「ならいいけど」  笑った顔もいつも通りのものだった。自分以外の者が見れば、そう判断するだろう顔。  今の一件の所為だけじゃないな、ということも分かっていた。 「でも、おまえには迷惑かけたな。悪かった」 「べつに、それこそ今更だろ」  以前と変わらない返答を選んだ向原に、一拍おいて成瀬が笑った。 「放っとけばいいのに」 「おまえが言うか、それを」 「それもそうだな」  あっさりと頷いて、また笑う。つくられた顔は、先ほどまで見ていたものとやはりどこか似ていた。 「ごめん」  なんでもないことのように謝って、ふらりと背を向ける。向かう先は、ひとつしかない。

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