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パーフェクト・ワールド・エンド16-7
結局、我慢できないんだねと苦笑した四谷には申し訳ないと思ったが、行人は昼休みに生徒会室に向かっていた。着いて行こうかとの申し出は断った。
そもそも生徒会室にいるかどうかもわからないのだ。無駄足になる可能性のほうが高いし、それに、この場所が、ひとり歩きを許されないような状態になっていると思いたくなかった。
「やっと来た……、って榛名か」
ノックした瞬間に内側から扉を引かれて、行人は危うくつんのめりそうになった。
「篠原先輩」
せめてもう少し静かに開けてくれとの意を込めて呼びかけると、悪い悪いと篠原が笑い飛ばした。そして一歩退く。
「珍しいな、ここまで来るの。高等部に来てから一回も来たことなかったろ」
入って来いと促されて、行人は小さく頭を下げて後に続いた。ドアを閉める。室内には篠原しかいなかった。
なんだ、と思っていると、篠原が笑った。中等部のときの一年間だけとはいえ同じ寮にいたのだ。おまけに彼は成瀬と行動を共にしていることが多かったから、普通の先輩以上には知っている。
「残念だったな。今日はどっちも来てないの」
「篠原先輩は昼休みなのに仕事中なんですか?」
「忙しいんだよ。知っての通り。人数も足りてねぇから」
「……」
「あぁ、向原だけじゃなくてな。もともと成瀬がえり好み激しいから最低限の人数しか在籍してなかったんだよ」
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