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パーフェクト・ワールド・エンド16-11
なにしてるんだろうと思ったものの、声が聞こえるわけもない。自分に関係はないことだと分かっていても、無視はしがたかった。
「なにしてんの、こんなところで」
「うわ!」
じっと外を注視していたから、肩を叩かれるまで気づかなかった。振り向くと、高藤が戸惑ったように手を下ろした。
「そんなに驚かれるとは思わなかったんだけど。なんか、ごめん」
「いや、……ちょっと、ごめん」
「誰かいたの? 成瀬さん?」
言いながらとなりに立った高藤が外に視線を向ける。「なんだ、誰もいないじゃん」
「え?」
「ほら」
促されて確認すると、言葉通りそこには誰もいなかった。さっきまで向原先輩たちがいたんだよと言うのも、ことを荒げるだけになる気がして、行人は「ちょっとぼーっとしてただけ」と言いつくろった。
「そういうおまえは? 昼休みにも仕事すんだ」
「あー、ちょっとだけだけど。頼むから人員増やしてくんないかな」
「篠原先輩も言ってた、それ」
「ってことは、榛名は顔出してきたあとか。ふたりともいた?」
「篠原先輩だけ」
「そっか。多いな、最近」
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