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パーフェクト・ワールド・エンド17-3
「うん、まぁ、そうだな。してるよ」
「前に皓太が言ってたんだけどな。おまえとあの一年の根本的な違いの話」
「皓太が?」
「どっちも口先では平等だって言うけど、おまえの世界にはオメガもアルファもなくて、あいつの世界はその逆でオメガとアルファしかいない」
よく見てるよなと続いた揶揄に、「そうだな」と成瀬も小さく笑った。
「本当、よく見てると思うよ。あいつは昔からしっかりしてたから」
「そうだったんだろうな。おまえの最初のモデルケースだろ」
「まぁ」
それこそ否定してもいまさらの話だった。
「うちの親族は、典型的なアルファ様ばっかりだったから。ああはなりたくなかったんだよな」
母親はアルファ至上主義を公言して憚らないタイプだったし、公言こそしなかったけれど、そう思っているという点では父も同じだった。それ以外の親族も、みな同じ「アルファ様」だった。
アルファばかりを偉いとする周囲に辟易としていた幼い成瀬に、幼馴染みの家はまともで羨ましいものに映った。自由恋愛で結婚したと言うアルファの父親とアルファの母親。そして生まれたアルファの息子。
オメガを極端に見下すこともない公平さも、成瀬の家の複雑さを知っていただろうに成瀬を受け入れてくれた心の広さも。
だから、自分はそういうまともなアルファを目指そうと思った。地味な反抗期だなといつだったか向原には笑われたけれど。
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