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パーフェクト・ワールド・エンド17-4
「ちゃんとできてたかどうかは怪しいけど」
「俺は」
話を聞いていたのかいないのか分からない調子で向原が薄く笑った。
「おまえとあの一年、似てると思うよ」
「似てる?」
「分かってるだろ。根本的な違いじゃない。一緒だよ、どっちも必要以上にバース性を意識してる時点で」
「そうかもな」
そりゃ、おまえとは違うだろ。根本的な部分で、俺とあいつは一緒で、おまえとは違う。
そういう意味で言っているのではないと分かっていても、自虐的な捉え方をしてしまう。必要以上に自身の性を意識しているなんてことは、言われなくても分かっている。
けれど、そうせざるを得なかった。
「好き勝手にここを引っ掻き回してるのも同じだしな」
「成瀬」
呼びかけに、落ちかけていた視線を上げる。自分とは違って、他人に愛想を振りまかない。そうかと言って、特別に自分を強く見せることもない。そんな小手先だけのことをしなくても問題のない、「王」の素質を生まれ持った男。
それを羨ましいと、昔は思っていた。
「これはこの場で答えなくていいから、ちょっと考えろよ」
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