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パーフェクト・ワールド・ハルⅧ-9

「その責任の一端は成瀬だろうし、当時の寮長だった俺にもあるんだろう。だから、出来得る限り、乱したくはないと思ってはいるんだけどな、これでも」  珍しく自嘲気味に茅野が笑って、脚をゆっくりと組み替えた。どこかに不遜さまで滲ませながら。 「俺は明日、ウチが優勝すべきだと思っている。それは、俺が寮長だからだと言うだけではなく、――この学園の現状を維持させるために必要だと思うからだ」 「成瀬さんが、今のトップだから?」  今を創り上げた張本人だから。その問いに明確に答えないまま、茅野が頷いた。 「現状ではなく、水城が勝ってみろ。盆がひっくり返るぞ」 「そんな怖い賭けを仕掛けないでくださいよ、茅野さん」  篠原も、同じようなことを言っていた。つまり、そう感じている人間は、いると言うことだ。茅野や、篠原だけではなく。二年生や、あるいは一年生にも。いる以上、変わる。どちらに転んでも。  ――榛名が出ていれば、あるいは。と、考えて止めた。意味のないことだ、もうそれは。  そして、結果として、それを導いたのは、茅野だ。責める口調になった皓太に茅野は笑った。 「おまえは、あいつが負けると思っているのか? あの新入生に」

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