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パーフェクト・ワールド・ハルxx-7

「なんか、それ、すげぇ消去法じゃねぇ?」  行人を見下ろしていた高藤の瞳がふっと笑んだ。  久しぶりに見たなと思った。最近ずっとピリピリしていて、どこか自分を扱いかねていたようだった同室者の素直な顔。  大丈夫、怒ってないよ。気になるなら聞いてみたら良いよ。  諭す調子の成瀬の声が蘇る。そしてあぁと得心した。  本当だ。聞く必要なんてない。この顔を見れば、それで十分で。  ――幼馴染みだから、分かるのかな。  それとも彼だから、分かるのだろうか。自分もいつか分かるようになるのだろうか。 「そうか。でも、なら良かった」  最近の迷いを打ち消すような、あるいは、言い聞かせるようだった調子ではなく、すっきりとした声で応じて、高藤が笑った。その柔らかな表情に、なぜかどきりとして、――久しぶりに見たからだと言い聞かせる。 「俺も、好きだよ。この学園が」  それがまるで、自分を好きだとでも言うように聞こえた、だなんて。絶対に誰にも言えないと思いながら。行人は意識してゆっくりと瞳を瞬かせた。

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