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パーフェクト・ワールド・エンド17-10

 茅野に言った通り、いまさら教室に向かうつもりはなかった。絶対に出なければならないようなものでもないし、卒業できる最低限の単位が取れさえすれば問題はない。生徒会の仕事はそういうわけにもいかないから、こうして来てはいるけれど。  頼むから人手不足をどうにかしてくれと篠原には何度も言われている。本当に望むことをしてやれないのだから、自分ができる最低限くらいはしないといけないと思っている、ということでもあったかもしれない。  ――まぁ、でも、チャイムが鳴ってからでいいか。  昼休みなら、まちがいなく篠原は生徒会室にいるだろうし、皓太も来ているかもしれない。  問題なく隠し通せると思ってはいるけれど、目敏い人間と長時間を過ごしたくなかった。バレていたとしても、指摘さえされなければどうとでもなる。  そうして今までどおりでやり過ごせたらそれでいいと、どこか投げやりに近いことを思っていた。だから、どうだろうなとしか言えなかった。  おそらくは、その瞬間まで。

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