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パーフェクト・ワールド・エンド19-10

 馬鹿らしすぎて、頭から血が引いた。手を離して、ベッドからも下りる。漏れたのは溜息だけだった。うしろを振り返ろうという気も起きない。  わずかにほっとしたように、茅野の顔から力が抜けた。  現れたタイミングがあまりにも良すぎる。なっていてもおかしくはないが、もう広まっているのか。  ――面倒だな。  その感情が滲んでいたのか、それとも成瀬に聞かせたかったのか、「大丈夫だ」と茅野が言った。  そんなわけ、ねぇだろ。ちらりと視線を向けると、茅野が嫌そうに眉を寄せた。そして言い足す。 「俺がここに来たのは偶然だ。一応な。――だから、おまえは早くそれをなんとかしてくれ」  なんとか。その言葉に、向原はもう一度、息を吐いた。らしくなかった感情を切り替えて、振り返る。

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