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パーフェクト・ワールド・エンド19-12

「おい、こら! どこに行くんだ、おまえは!」 「いられるわけないだろ、こんなとこに」  そこで、成瀬は向原を見た。 「べつに収まるなら誰とヤッてもいい。ただの本能だし、処理だと思えばそれでいい。でも、おまえだけは絶対に嫌だ」 「おい、成瀬!」 「おまえだって、寮内でヤられたくはないだろ。外でするって言ってんだ。これ以上文句言われる筋合いはない」 「筋合いって、おまえな。そういう問題じゃないだろう」 「なら、どういう問題だよ」 「どういうって……」  この状況でなお言い諭そうとする気長さに、向原はうんざりと首を振った。  話し合いになってなるはずがないし、聞く耳を持ってもいないのだから、平行線のまま動くはずがない。時間の無駄だ。

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