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パーフェクト・ワールド・エンド19-15

「向原。いつまでも番犬みたいな真似してないで、ちょっと付き合え」  ノックひとつで中に入ってきた茅野が、机の上に並んでいるものを一瞥してあきれ顔になる。 「すごい量だな。さっきも一瞬本気で身体の心配をしたが」 「あいつに部屋貸したから、こっちにいるだけだ」 「まぁ、そういうことにしておいてもいいが。よかったな、壁が薄くて。本来であれば欠陥なわけだが」  ちらりと壁のほうに視線を向けてから、茅野が切り出した。 「榛名も知っていたらしいな」  それを聞いても、やっぱりなとしか思えなかった。最近の態度からして、皓太も知っているのかもしれないとは踏んでいたが。  沈黙を応と取った茅野が、「それでな」と少しだけ言いにくそうに問いかけてきた。 「その榛名が、話をしたいと言っているんだが」 「好きにしろよ、俺には関係ない」 「ここまで来たんだ、最後まで付き合っても罰は当たらないと思うぞ。それに、知ってたんだろう?」

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