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パーフェクト・ワールド・レイン0-7
なんで、あんな約束をしたのだろう、とふと思った。アルファの気まぐれ、と。笑い飛ばせない程度には長い期間を向原は付き合ってくれている。有り難いと思っている。けれど、同じくらい、ずっと、割り切れない何かを抱え続けている。
そんな自分が、俺は一番、嫌いだった。
オメガだから。そんな理由ですべてを包括して、友人だとすら素直に思うことの出来ない、自分の弱さが。
そんな感情が顔に出ていたのだろうか。感じた視線にすっと表情を取り繕う。
「なに?」
「いや」
いつも通り、と言った風に向原が応じる。いつも通り、何もなかったように。
「なんでもない」
いつからかは分からない。けれど、いつからか自分たちの間にはお互いが超えるべきではないと判ずる線が生まれたような気がする。それの理由も、何もかもを見ないふりをして、やり過ごしてきた。それがどんな結果を引き起こすかだなんて、このころは考えてもいなかったのだけれど。
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