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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 1-5

 昇降口の前の丸花壇のところで、いつもの取り巻きを侍らして談笑しているが、どうにも人待ちな風情だ。同じことを荻原も感じたらしく、首を捻っている。 「本当だ。どうしたんだろうね。誰か待ってるのかな。声かけてみようか」 「ちょっと、やめときなよ」  ぎょっとして制止した四谷に、さすがにしないってと荻原が笑った次の瞬間、水城が振り返った。 「あ、荻原くん。高藤くんも。おはよう」 「おはよう、ハルちゃん」  花のような笑顔を浮かべる水城に、荻原もにこりと愛想のいい笑みを向けた。四谷は、「完全に無視だよ、俺のこと」と小声でこぼしていたけれど。  その呟き声を打ち消す明るさで、荻原が話しかけている。調子がいいというよりは、人がいいのだ。ぎすぎすした雰囲気が苦手らしいということも、かつての、今よりも格段に態度が悪かった自分に対してもめげずに話しかけ続けてくれていた事実から察している。  高藤は案外と、興味のないものは適当に流すところがある。自分の役割として面倒を見ないといけないと判断したものは、きちんとやっているが。 「どうしたの。こんなところで」 「うん。ちょっとね」  思わせぶりにほほえんだ水城が、「あ」といかにも思いついたような声を出した。 「そうだ。荻原くんたち櫻寮だね」 「そうだけど。……どうかした?」 「昨日は大変じゃなかった?」

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