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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 2-5
思い当たる節がありすぎたのか、篠原が渋い顔になる。向原が言うことは、事実だ。それぞれの寮の自治権を尊重するというスタンスを茅野が取っていたことも。
「茅野も一応今までに何回か通告してるんだよ。改善しろ。さすがにこのままじゃ学内の風紀にも差し障るって」
苦笑気味に言い足すと、「まぁ、なぁ」と篠原も苦笑いで頷いた。
「それはな、そう思うけどな。俺は」
「俺は?」
「うちの寮長は無理だろ。長峰、あいつマジで水城のことかわいがってんだよ」
それもわかっている。けれど見過ごせないレベルで度を越したのは向こうだ。その前提がなければ、さすがに茅野も乗ってはくれなかっただろう。
だから、成瀬はにこりとした笑みを浮かべてみせた。
「しかたない。規則は規則だからな」
「おまえ気をつけろよ、いろんな意味で」
眉をひそめた篠原が宙に視線を浮かしていたが、しばらくすると勝手に納得した顔になった。
「まぁ、おまえは大丈夫か」
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