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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 2-7

 ――でも、見放してもくれないんだよな、あいつ。  昨日の夜もそうだった。戻ってきた向原を捕まえて話があると言ったときも、聞くだけだという調子ではあったものの、途中で席を立つこともなかった。  それを「和解」だと言うつもりはさすがにないが、責められるよりもなにも言われないことのほうがきついのはたしかだった。それもぜんぶわかった上でやっているのだろうけれど。  無人の向原の席にちらりと視線を向ける。いないのは向原だけではない。昼休みという理由だけではなく教室内は空席が目立っていた。風紀に所属している生徒もほとんどがいないし、寮生委員会に所属している生徒もそうだ。 「そうやって気にするくらいなら、最初から素直に聞きゃいいだろ。見ないふりばっかりしてねぇで、なにしてんだって」  まるで見かねたみたいに話しかけられて、篠原のほうを振り返った。もうずっと呆れた顔ばかり見ているような気がするが、もれることなく同じ顔をしている。 「あいつはおまえが聞いたら、そのままを答えると思うけどな。おまえと違って」 「べつに、そういうわけじゃ」 「なぁ、おまえさ……」  篠原がなにかを言おうとしたタイミングで、教室のドアが大きな音を立てて開いた。

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