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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 2-11

 思えば、あのときも生徒会室でさんざんに「なにを考えてるのか」と責められたのだった。  会長の一存で却下すればいいだろうとも言われたが選ばなかった。あのときは、まだ迷っていた。でも、今は違う。  もうなにもなかったころには戻れないのだと知っている。 「長峰こそ俺に不満があるみたいだけど。水城のことだけじゃなくて、寮のほうにも俺が介入したって思ってるんだ?」  随分と買いかぶられたものだなと思いながら、にこりとほほえむ。 「ほかの寮の寮長に賛成するように俺が圧力かけたとでも思ってる? 水城みたいに」  水城の名前を出すのなら、おねだりをしたというほうがより正確だったかもしれないが。 「水城みたいって、どういう意味だよ」 「べつに? ただ、おまえも信じてるのかなって思って。水城があれだけ楽しそうに目立つところで言ってきたくらいだから、寮の中ではもっと好き放題に話してたんじゃないかなって」  反応を見ながら、成瀬はもう一度ほほえんだ 「俺の噂」

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