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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 2-14

 でも、と篠原が教室にちらりと視線を走らせてから、こう続けた。 「あんまりいつもの調子でふらふらすんなよ」  生徒会室でも似たようなことを言われたなと思ったが、恣意的に敵を増やすのなら気をつけろという忠告だと割り切る。 「だから、いただろ、教室に」 「おまえ、それはあいつらが帰ってくるの待ち構えてだけだろ」 「……」 「おまえが向原が戻ってこないか気にしてた理由、それか」  嫌だ嫌だというような調子に、苦笑がこぼれる。べつに、それだけじゃない。気にしていたのは本当だ。  余計な手出しはされたくない。とはいえ、これ以上向こうを苛立たせたくもない。  自分の中のプライドのせめぎ合いのようなそれに、けれど正しく名前を付けるとしたら、「負い目」になるのかもしれないとも思う。  そう、向原には、負い目がある。

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