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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 3-1
[3]
「でも本当に代わるとは思ってなかったな」
一年生のフロアにある談話室から聞こえてきた声に、皓太は足を止めた。中にいるのはクラスメイトが数名と、あとは四谷のグループが何人か。
まだ早く部屋に戻るよう指摘するほどの時間ではないのだが。
――まぁ、そもそもとして、べつにもうフロア長じゃないからいいっちゃいいんだけど。
「あぁ、楓寮の寮長でしょ。でもしかたないんじゃない? そういうことしてたんだから」
四谷の声は宥めるような調子だったのに、すぐに違う声が被さった。顔を見なくてもわかる。ハルちゃん信者のクラスメイトだ。
「そういうことって、やめろよ。その噂信じてんのかよ」
「信じてるって、……でも、そういう処分になったんだから、事実でしょ」
ただの好き放題に流れている噂とは一線を画すだろうというふうなそれに、まぁ、そうだろうなと皓太は内心で頷いた。
さすがにそうでなければ茅野は動かないだろうと思う。成瀬と一緒で身内びいきが激しいところもあるが、寮生委員会の会長として動くときは案外しっかりと公平な人だ。
とはいえ、その処分を含め、皓太のクラスが水城を中心に「かわいそうだ」と荒れていることは事実だった。それが寮の中にまで波及し始めているのかと思うと、うんざりとした気分になる。
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