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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 3-2
水城と違う寮でよかった。寮の中でまで「ハルちゃん」、「ハルちゃん」に囲まれたらたまらない、と思っていたころが懐かしい。
そんなふうなことを思い返しながら、談話室に足を踏み入れる。
フロア長ではないのだから放っておいてもなんら問題はなかったはずなのに。生来のお節介のせいか、もめごとが起こりそうな雰囲気を無視できなかったのだ。
「あ、高藤。お疲れ」
どこかほっとしたような四谷の声に迎え入れられて、お節介をしてよかったというところに意識が動いた。中等部にいたころは苦手意識のほうが強かったが、特に最近は榛名のことで面倒をかけてしまっている。
「お疲れ。まだこっちにいたんだ」
「あー……、ちょっとね。ひなと喋ってただけだったんだけど」
四谷のとなりにいた朝比奈が、その台詞を受けて小さく肩をすくめた。つまるところ、いつものグループでちょっと談笑していただけのつもりが、ほかのグループが入ってきたということらしい。
そちらの三人は自分の登場におもしろくないという顔をしていて。
――そういや、四谷も朝比奈もかわいいから有りだなんだって言ってたな。
自分にまったくその毛がないので聞き流していたけれど、かわいければベータの男でもいいというアルファはこの学園には多いのだった。
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