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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 3-21
「うん」
三年前にも似たようなことを言われた。そう思い返しながら頷く。あのときはちゃんとしてやれなかった。だからこそ、今はちゃんとしたいと思っている。
「大丈夫。俺が見るよ」
応じた皓太の目をしっかりと見つめ返してから、成瀬は頷いた。どこまでも保護者でしかないような、優しい瞳で。
「皓太がそう言ってくれたら、安心できる」
「うん」
同じ相槌を繰り返してから、意識的にほほえむ。
「なら、よかった」
うん、と同じような顔でほほえんだのを最後に、成瀬が自分の横を通って階段に足をかけた。消灯の時間はとうに過ぎている。
「どこ行くの?」
「皓太が気にすることじゃないよ。寮長に怒られる前には戻ってくる」
呼び声に反応して振り返った成瀬が、ふっと瞳を細めた。
「だから、秘密な」
秘密、なんて、なんだか小さいころにタイプスリップしたみたいだと呆れながら、苦笑ひとつで了承する。自分が止められるとは、もうさすがに思えなかった。
その背中を見送って、皓太は廊下を歩きだした。
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