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パーフェクト・ワールド・レインⅢ-13

 どうかな、と微笑みかけた先で、彼らの視線が僅かに泳ぐ。  この分なら、面倒なヤツが顔を出す前に納まるかな、と。安堵し抱えた矢先、嫌な声が届いた。 「喧嘩なら俺たちの管轄だと思うんだがな、会長様」  風紀委員長のくせに、揉め事が楽しくて仕方がないと言わんばかりのそれだ。  振り返ると、風紀委員一人を連れて本尾が近づいてくるところで。  ――無駄に目敏いな、こいつは、本当に。 「たかだか一年生の衝突を、おまえが仲裁する必要はないだろう」 「その言葉、そっくり返すぞ。相変わらずの依怙贔屓だな」  鼻で笑って、本尾が瑞樹たちの方を見やった。 「可哀そうだろう。おまえがそうやって、自分の寮の一年ばかりを庇うから」 「風紀がウチを目の敵にしてるから。これでちょうどバランスが取れてると思ってるんだけど」 「すごい理屈だな、それはまた」 「それに、言った通り、行人はどこかの誰かと違って、自分から喧嘩を売ったりしないから」  

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