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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 4-6
「おまえのそういうところ、性格悪いよな」
「人のこと言えた義理かよ」
「まぁ、それはそうだな。俺もよくやるし」
今度のそれは、随分とあっさりした認め方だった。まともに向き合っている表明のつもりなのか、取り繕っていた笑みが消える。
「アルファには会ってない。会う気もない」
「アルファには?」
「言葉どおりだ。ベータとしか会ってない。嘘は言ってない。……少なくとも、これに関しては」
そう予防線を張ってから、「それと」とはっきりと成瀬が言い足した。
「これも、信じる信じないはおまえの勝手だけど。俺は、良くも悪くも水城と同じ手段を使うつもりはない」
「それで?」
「だから、……このあいだのことは、悪かった。言いすぎた」
まっすぐに視線を合わせたまま告げてきた顔は、嘘なんて吐いたこともありませんと言わんばかりだった。
あいつ、誠実ですっていう顔つくるの嫌味なほどうまいよな、と評して憚らないのは篠原だが、本当に心の底からそう思う。
ぜんぶ本気だったくせに、なにをいまさら。
「それを言うなら、言うつもりのなかった本音を聞かせて悪かった、だろ」
「それも、そうだな」
それもやはり、変わらないあっさりとしたものだった。視線を逸らすこともしないまま、淡々と続ける。
「悪かった。おまえに言わないくらいの分別はあるつもりだった」
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