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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 4-7
「そうかよ」
とだけ応じて、小さく溜息を吐く。そこまであけすけに開き直られたら、これ以上なにか言うほうが馬鹿らしい。
その反応をどうとったのか、「ところで」と成瀬が続けて話しかけてきた。またあの笑顔に巻き戻っている。
「話は変わるんだけど」
「……なんだよ、今度は」
「おまえ、本尾になに言った?」
「べつに、なにも」
こっちが本命だったか、とうんざりと向原は首を振った。そりゃここじゃないとできない話だ。
「そんなわけないだろ。俺は、おまえに」
「あのな」
もう何年も繰り返している発展性のない問答には、こちらだって辟易としているのだ。成瀬の台詞を遮って、向原は言い放った。
「庇われたくも、尻拭いされたくもないっていうなら、相応の行動をおまえが取れよ」
難しいことを言っているつもりもなければ、暴論を突き付けているつもりもない。すぐに言い返せない時点で、成瀬だってわかっているはずだ。
「簡単な話だろ。できないなら今すぐ手ぇ引け。俺がぜんぶ潰してやる」
篠原が、妙に気にしたふうに「あいつはなにをそんなに焦っているのか」と言っていたが、その理由は向原にはひとつしか思いつけなかった。
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