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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 5-5
――なんか、俺も変なふうに凝り固まってたんだろうな、結局。
アルファだとか、オメガだとか。そういったことにばかりつい気を取られてしまう。いいことではないとわかっているから、口には出さないようにしようと最低限思ってはいるけれど、内面ではそんなことばかりだった。
「榛名、なに見て……って、なんだ、水城か。あいかわらず取り巻き引き連れてるね」
理科室に向かう途中で、反対側の渡り廊下を歩いている集団に思わず目が行ってしまったのだ。となりを歩いていた四谷の苦々しい声に、行人は「まぁ」と頷いた。このあいだの一件で完全に無視されたのが、相当頭にきているらしい。
「なんか目につくから、つい」
「ま、水城がどうのこうのっていうより、周りの声もうるさいしね」
「……うん」
「ちょっと、もう行かないと。面倒なことになるよ」
腕をつつかれて、慌てて視線を外す。なぜか目で追ってしまったのだが、四谷の言うとおりで、話しかけられて揉めでもしたらまた面倒なことになってしまう。
さすがにもう揉め事を起こすつもりはないのだが、その信用はなさそうだ。今までの自分の行いを振り返れば、しかたないような気がするので、なにひとつ弁明できないのだが。
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