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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 5-12

「そう。まぁ、でも、それもまさか生徒会役員が素行不良はしないだろうっていう暗黙の了解の上で成り立ってたんだけど。ちょっと取り上げられかけてて」 「え」 「いや、本当、あいつの閻魔帳はどうなってるんだろうね。おまえはどこそこの日にいなくなってたとか、向原もどこそこはいなかっただろうって、もうずらっと並べられちゃって。生徒会への信用度は皆無だとまで言われても、まぁ、ぜんぶ事実だから返す言葉はないんだけど」  事実なんだ、と思いながら、行人はこくりと頷いた。校内でふらりと姿を消す話はたびたび聞いていたが、寮でも同じだったのか。  ――っていうか、すごいな、茅野さん。成瀬さんにもだけど、向原先輩にも説教できるのか。  まぁ、常日頃からあの寮長は、校内のことはともかくとして、寮内のことは俺に決定権があると言って憚らないわけだけれど。 「それで、あと一回なんかやらかしたら部屋変えるって宣言されてんの。だから今日はちゃんと帰ってきたんだけど」 「そうなんですか」  それって、めちゃくちゃ業を煮やされてるってことじゃ、という気はひしひしとしたのだが、言葉になったのはなんてことのない相槌だけで。  ここまでくると身に染みついたものなのかもしれないが、成瀬に対して否定的なことを言おうと思えないのだ。

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