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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 6-6
「問題って……」
「だって、おまえ、まぁ、べつにそれが悪いとは言わねぇけど。昔からいろいろ庇ってやってただろ? 柏木がいい例だし、あいつらはそのおかげで助かってんだろうけどさ」
線が細く頼りなげなベータを率先して庇っているからか、「オメガの番人」などと揶揄されることもあるけれど、篠原が思っているように完全な善意だけでそばにいてやったわけではない。
自分にとっても、彼らの存在の都合が良かったからだ。彼らのそばにいれば、もし万が一「甘いにおい」がしたとしても、発生源が自分だとは思われない。
それだけのことだったから、肯定も否定も成瀬はしなかった。
「その分、おまえが目ぇつけられてるだろ。それも、おまえはどうとでもできるって思ってんだろうし、してるのもわかってっけど」
「ならいいだろ。それに、それで迷惑かけたことなんて、ないと思うけど」
このあいだのこともそうだ。誰にも迷惑なんてかけてはいない。言い切ると、嫌そうに篠原が顔をしかめた。
「それだよ、それ」
「それ?」
「だから、そばにいるのに、なにひとつ頼られないってのも、気分の良いもんじゃないだろって話。なんか、こう言うと、おまえ曲解しそうで嫌なんだけど」
曲解とまで言われて、かすかに眉寄せる。曲解もなにも、誰かを頼るということは、その人物の庇護下に入るということと同義だろう。
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