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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 6-11

「脅したとはなんだ、人聞きの悪い。高藤か?」 「ううん。皓太、そういうこと俺にあんまり言ってくれないし」 「なら、……」 「回り回って、加賀から聞いた。楓寮でも噂になってるらしいけど」 「好き勝手言わせておけ」  半ば投げやりにそう言って、茅野が溜息を吐いた。 「どう思われようともいいと言えばいいんだが。が、恐怖政治を強いる気はないんだがな。力で押し込んでもろくなことにならない」 「それはまぁ、そう思うけど」 「と言って、舐められすぎてもろくなことにならんからな。塩梅が難しい」 「それもまぁ、そうだと思うけど。でも茅野はバランスよくやってると思うよ。茅野、そういうバランス感覚抜群にいいから」  行人も皓太も懐いてるし、と言うと、おまえの判断基準はいつもそれだな、と返されてしまったが、信用しているのだ。特に、幼馴染みのほうの人を見る目は。 「それで、どうなんだ。向こうは」  ようやく入った本題に、成瀬は、うんと静かに頷いた。 「やる気はあるんじゃないかな。このあいだもだいぶ煽れたし」 「……まぁ、必要以上に煽ってたな」

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