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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 7-5

「っつか、おまえ、会長としてどうのこうのって言ってたけど、茅野に庇われてるみたいな言い方されたのが気に食わなかっただけだろ」 「まさか」  幼馴染みはさらりと否定していたし、現場を見たわけでもないのだが、まぁ、篠原が言うならそうなんだろうなと皓太は察した。  いいかげんそうに見えるだけで、篠原は人をよく見ている。 「だいたい、俺と茅野が揃ってたら結託してる、みたいな認識がおかしい。風紀とだって目的が合致したら歩調は合わせる」 「合わせたことあったか? 中等部のときも含めて」 「合致しないから、合わせないだけだ。そもそもで言えば、あいつが嫌がらせみたいに俺の反対意見しか言わないから。だから、合いようがない」  露骨に険のある表現に、とりあえずと動かしていた手を止めて視線を向ける。その横顔はいつもどおりと言えばいつもどおりのものだったけれど。  ――揉めた相手って、本尾先輩だったのかな、もしかして。  仲がいいとは思わないが、わかりやすく喧嘩をするような人ではないはずなのだが。  おまけに、席を外していた会議は、委員会の代表が集まる臨時の代表会議だったと思うのだが。

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