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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 7-12
「どちらかと言われると、話し合いのほう……です」
茅野の聞き方はあっけからんとしていたが、前者のほうなんて恐ろしくて聞ける気がしない。
そもそもとして他人が口を出していい話でもないと承知している。平和にまとまってくれるならなによりだとは思うけれど。
「話し合いなぁ」
どう言おうか逡巡するような間のあとで、茅野が小さく笑った。
「おまえに言うことでもないと思うが、なかなかだったぞ」
「なかなか……」
「いや、べつに決裂したというわけでもないんだがな。今のあいつらを見たらわかると思うが。一筋縄ではいかんな、あの性格は」
大まかには推測することができて、そうですね、と皓太は相槌を打った。詳細までは教えてくれないだろうと思っていたし、とりあえずでもあの状況がいったん終息したのだと知ることができただけで十分だった。
茅野にはいい迷惑かもしれないが、「気にするな」と太鼓判を押してもらえると、安心できるのだ。
「あそこまで頑なにならなくてもいいんじゃないか、とも思うんだけどな」
「昔から、そういう人だと言えば、そうですけど」
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