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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 7-13

 そう。本当に、そういう人なのだ。だから、きっと、自分にはこれからもそういうふうにしか見ることはできない。  榛名は、「アルファのおまえにしか助けられないこともあるかもしれない」と言っていたが、それは違うと思った。  改めて考えてみて、やはりそうだと思ったことだけれど、そうまちがってはいないだろうとも思っている。  自分にできることは、「知らないまま」でいることだ。 「本当に、かわいそうなくらい周りが見えてるな、おまえは」  言わなかった部分もすべて読み取ったような顔で頷かれてしまって、曖昧にほほえむ。  見ているだけの側に立つという決断をできたのは、茅野たちがいるということが大きかった。だから。 「まぁ、でも、茅野さんの言うとおり、頑なさが解けたらいいとは思いますけど」 「それは、そうなんだが。ああ見えて、少し変わったところもあるはあるぞ」 「そうなんですか?」  意外だという態度を隠さなかった皓太に、茅野は苦笑ひとつで種を明かした。隠すほどのことでもないし、どうせそのうち気づくと思ったのだろう。 「かなりあからさまにアルファに対して一線引いてるぞ、あいつ。今度ちょっと気にして見てみたらいい」

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