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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 7-15
「……おっしゃるとおりで」
としか言いようがなかった。中等部のときよりも、茅野の千里眼ぶりに拍車がかかっているような気がする。
あのころも、違反常習者たちは「寮長に隠し通せる気がしない」と早々に白旗を上げていたが。
「俺が寮長権限を発動する前に、せいぜいおまえか榛名から泣きついておいてくれ。やめてくれってな」
それで聞いたら御の字だ、と笑っただけで、茅野は、それ以上は言及しなかった。体よく切り上げられるかたちになったが、このあたりが潮時だろう。。そう思ったから、自分もそれ以上は聞かなかった。
茅野から聞き及んだ内容で、自分の推測でしかなかったものがいくつか事実になった。それで十分だ。あの人たちの関係に、口を挟むつもりも、手を出すつもりもない。茅野に聞こうと思ったのは、仮定だけで不安になりたくなかったからだ。
自分が不安がったら、確実に榛名に伝染する。それは避けたかったのだ。
――でも、これ、本当に終息してるのか?
口を出すつもりはない。ないけれど。落ち着かないものを持て余しながら、皓太はそっと生徒会室を見渡した。
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