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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 7-16

 あのあとすぐに戻ってきた成瀬は完全にいつもどおりの調子だったし、向原もいつもどおりの調子だった。  空気が良かったか悪かったかで言わせてもらえるなら、決して良くはないが、最近のいつもどおりだと言えば、いつもどおりなわけで。まぁ、本当にやめてはほしいけど。  そんなことを考えていたら、ばちりと成瀬と目が合った。 「皓太」 「え……あ、はい!」 「そんな驚かなくても。それ終わってるなら、帰っていいよって言おうと思っただけ」 「え、でも……」  割り振られているものは、まだ残っている。今日絶対にやらないといけないものではないかもしれないが、終わらせられるときにやっておくに越したことはないはずだ。  逡巡していると、少しだけ困ったふうに成瀬がほほえむ。 「たまには早く帰りな」  行人も待ってるだろ、とまで言われてしまって、皓太は「じゃあ」と頷いた。篠原も、そうしとけよ、と笑っている。  追い出されたような気もするが、三人で話したいことがあるというのなら否はない。むしろ話し合ってくれることで、この空気が改善されるのなら大歓迎だ。  ……まぁ、ちょっと、そんなふうになってくれるかは怪しいような気もするんだけど。  さっと片づけと挨拶を済ませて、外に出る。出てきたばかりの生徒会室をちらりと振り返ったら、溜息が出てしまった。  本当に早くどうにかなってほしいとは、心の底から思っているのだが。その願いが叶うのは、まだ少し先になってしまいそうな予感がしてならない。  そして皓太は、自分のこういう予感がかなりの確率で当たることを経験則で知っていた。

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