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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 8-5
「あの人さ、その、なんていうか、成瀬さんたちと折り合い悪いらしくて」
「……え」
「でも、べつに悪い人じゃないし、変な人でもないから、さっきのもからかっただけくらいのつもりだと思うし、それ以上のことはしないと思うけど」
なにも言えないでいると、高藤が言葉を継いだ。行人を納得させるように。
「ええと、前に成瀬さんが言ってたんだ。頭のいい人だし、馬鹿なことはしないから、そう気にしなくていいって。……それに、血の気の多い連中をまとめてくれてるからありがたいくらいだって」
だから、さっきのもガス抜きだったんだと思うけど。ほら、ちょっと今、風紀と生徒会とで揉めてるらしいから。
そこまで言ってから、高藤は口をつぐんだ。こいつも、自分のせいだと思っているのだろうか。
……いや、まぁ、俺のせいは、俺のせいか。
自分のせいだけであの人たちが出て行った、なんて、そこまで自惚れてはいないけれど。もともと問題のあった人たちだったと、あの人も言っていた。でも――。
「いや、まぁ、その、ある種プロレスみたいなものでもあると思うんだけど」
「プロレス?」
「わからなかったらわからないでいいんだけど。でも、まぁ、あの通り威圧感のある人だから、誰だって怖いと思うし。だからあんまり無理しないほうがいいよ」
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