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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 8-8

「ベータにも……」 「うん。ちょっと意外だった。でも、話しかけられたやつらもうれしそうだったし」  水城も心を入れ替えたんなら、いいことなのかな、と続けようとした台詞は、自分が言うことではないなと思い直したので呑み込む。  それに、このあいだはちょっとかわいそうだなんて思ったけれど、水城は学園の現状を乱そうとしている当人なのだ。  ――いや、それは、もうなにもしないんだって言うなら、それはそれでいいんだけど。  そうであるのなら、行人はそれ以上のなにかを追求しようという気はないし、成瀬もそうだろうと思う。  本人がどう思っていようとも、優しくて情に厚い人だと、行人は思っている。 「それがどうかした? おまえの教室でもそうじゃないの?」  うちの教室はハルちゃんに支配されてるようなもんだから、といつだったか高藤は苦笑していたけれど。つまるところ、水城にとっては居心地のいい空間だということだろう。  少し前に聞いたときは、苛々しているというようなことを言っていたけれど。だから機嫌が良さそうだったと伝えたつもりでもいたのだが、高藤は不可思議そうな表情のままだった。 「いや……、まぁ、そういうわけでもないんだけど」 「けど?」 「まぁ、でも機嫌が良いんならなによりじゃない? その言い方だと、榛名も絡まれなかったんでしょ、必要以上には」  そう言って、高藤がにこりとほほえんだ。はっきり言って、えせくさいし、誤魔化しているときの顔だ。

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