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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 8-9

「その顔、成瀬さんにそっくり」 「え!?」 「……嫌なら改めろよ」  というか、似てるなんて言われるの、いまさらだろ。そもそもとして、そこまで嫌がらなくてもいいだろうとも思う。まぁ、ちょっと、なにも相談してくれないの意は入っていたかもしれないけれど。 「いや、その、ちょっと似たようなこと向原さんにも言われたばっかりだったから」 「向原先輩に?」 「そう。生徒会室でちょっと。あの人の言うこと基本的に正論だから、耳に痛いんだよね」  どうとも言えないでいるうちに、高藤は切り替えるように苦笑した。 「まぁ、でも、そうだな。改めようかな」 「いや、……うん」  改めてくれるというのなら、それは、まぁ、うれしいのだけれど。なんとなくすっきりとしないものを抱えていたせいで、返事もすっきりとしないものになってしまった。  向原への苦手意識ゆえのことだと思ったのか、特に言及はしないまま、高藤は切り出した。 「榛名は、なんで水城がベータにも愛想よく接してるんだと思う?」 「え……、心境の変化、とか? 成瀬さんに言われたことで、ちょっと思うところがあったとか」 「榛名って、そういうところ、なんていうか素直だよね」 「……馬鹿にしてんのか、それ」  生ぬるい笑みを浮かべられて、思わず声のトーンが下がる。悪かったな。ここで言う素直は、言葉どおりのものではなく、視野が狭い、だとか、深いところまで考えられていない、だとか、つまるところ考えが足りないということだと行人は取った。

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