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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 9-3
「自分たちにはなんの不利益もないから、じゃあ、このままでいいってことにはならないと僕は思っていて。だから、僕はそのための一歩を踏み出したいなって、そう思ったんだ」
自分たちに向けて、というよりは、教室内にいるクラスメイトすべてに聞いてもらおうとしているような調子でもあった。
そうしておそらくその目論見のとおりに、クラスメイトの大半は注目している。
「それは、新しい目を持っている僕にしかできないことなんじゃないのかなって思ったし、そう背中を押してくれた人たちがいたから」
だから、その人たちのためにもがんばろうって決めたんだ、と水城がほほえむ。見慣れた、天使の顔で。
その笑顔をじっと見つめてから、皓太は問いかけた。衆目を集めていることを十分に理解した上で、言葉を選ぶ。
「水城の思う、ここの違和感ってなに?」
水城は、「わかるでしょ」というふうに口元を笑ませた。
たしかに、わからないわけでは、ない。けれど、糾弾されるようなことではないとも思っていた。
「さっき言ったことと同じになっちゃうけど、僕には、ここは、あの人が自分に都合の良いようにつくり変えた学園に見えるんだ。それにね、そう言ってるのは僕だけじゃないんだよ」
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