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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 10-13

「でも、だから……、俺、ちゃんと友達できてるのかわからなくて」  本当に思いつくままに喋ってしまったのだが、なんだか小学生みたいなことを言ってしまったような。  居たたまれなくなってきて成瀬の様子をそっと窺う。 「あー……、そうだな。俺もそもそも友達多いほうじゃないんだけど」  案の定、困ったような顔をさせてしまった。おまけに、絶対にそうじゃないだろうことまで言わせてしまっている。けれど、それもあたりまえなのかもしれない。だって――。  ――ちゃんと友達できてるのかわからないって、漠然とし過ぎて相談にすらなってないよな。  それは、答えように困るはずだ。 「あの……」 「でも、そうやってちゃんと悩んでる時点で、行人はその友達を大事にできてると思うよ」 「……そうなんでしょうか」  無理やり慰めさせてしまったような気はしていたけれど、それでも勝手なことにそう言ってもらえて、少しほっとした。 「うん。少なくとも、俺は、あんまりそういうふうなことも考えないし。比べる相手が俺で悪いけど、それに比べたら、十分大事にしてるんじゃないかな」 「いや、そんなことは」  だって、なんでもできる人で、常に周囲に人がいる人なのだ。それなのに、成瀬は「どうかな」と曖昧に否定してみせた。 「俺、本当にそっち方面あんまり人間できてないから。――それで、言いたくなかったら、言わなくてもいいけど。喧嘩でもしたの? その友達と」

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