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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-3

「それより、その、……どうだった?」  あの状態で退席しておいて、聞けた台詞でもないとわかっているが、明日の自分のために聞いておきたい。  あぁ、と笑って頷いた荻原が教室をぐるりと見渡した。その視線が水城の席で止まる。 「まぁ、ざわついてたはざわついてたけど、タイミングよく先生が来て授業始まったし。ハルちゃんもすました顔に戻ってたから」  それ以上は特になかったよ、という報告に安堵したのも束の間、視線を戻した荻原がからかうように目を細めた。 「どっちかっていうと、高藤にビビってる子のほうが多かったかもね」 「やめて。反省してるから。本当やめて」 「いや、ほら、普段怒らない人が怒ると怖いじゃん? まぁ、ハルちゃんはハルちゃんでべつの意味で怖かったけど。同じ寮の子は薄々知ってたみたいだしね。このあいだ会長とやり合ってたときもなかなかだったけど」  まぁ、あれはなかなかだったな、とは思う。良くも悪くも、あの人にあれだけ年下がつっかかっている場面なんて、めったに見られるものではない。置きっぱなしにしていた鞄を机の上に置くと、荻原もノートをとじて帰る準備を始め出した。 「そういう意味で高藤のほうがインパクトあったんだって。諦めな」

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