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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-4

「インパクト……」  物は言いようだなと苦笑していると、荻原が「生徒会室は寄らなくていいの?」と問いかけてくる。たしかに最近はほぼ毎日放課後はそこに向かっていた。でも――。 「うん、今日はいいかな」 「そうなんだ。まぁ、でもたまには息抜き大事だよね。高藤、最近ずっと――というか、高等部きてからか、忙しそうだし。大丈夫なら帰ろ。俺も帰るし」  先ほどと同じように軽く受け流して、荻原が立ち上がる。そのあとに続いて昇降口に向かいながら、いいやつなんだよなと改めて皓太は思った。目配り気配りがきいて、周囲の和を重んじる。茅野が寮生委員に任命した理由がよくわかる。自分が選ばれたのは中等部のときに一緒にやっていた時期があったから、の延長だろうけれど。  成瀬にしてもそうだ。生徒会のメンバーに気心の知れた人間を入れたかったから、自分に白羽の矢を立てたに違いない。  ――だって、そうじゃなかったら、もう一学年上にだって……。 「いや、でも、高藤、ちゃんと榛名ちゃん大事にしてたんだね」 「え?」 「えって。だってちゃんと怒ってたじゃん。さっきも言ったけど、高藤、あんまり怒んないからさ。勝手だけど、ちょっと安心した。榛名ちゃんのこともどうするつもりなのかなって思ってたから」

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